鈴木教久
昼は広告代理店でプロデューサー。 夜は、趣味で「人狼ゲーム」のiPhoneアプリを作ってます。 好物はアイスクリームとペペロンチーノ。 PS3版のスーパーストリートファイター4にはまっています。 (フレンド募集中です!) ■人狼ゲーム for iPhone http://werewolf.mo61.mobi/ |
(2012年4月 東京都港区にて)
創造の原点
(鈴木教久:) 今日は、暴風の中、お越しいただいて、ありがとうございます。
(清水宣晶:) 外は、今までに経験したことがないぐらいの、
ものすごい風ですね。
鈴木さんの仕事のことも、とても興味あるんですが、
今日は『人狼』のことを聞かせてもらおうと思って。
話しが途中でブレないように、
自分用に、段取りをメモしておきますね。
なるほど!
それは、わかりやすくていいです。
鈴木さんは、以前には、
ゲームを作った経験てのはあったんですか?
小学生の頃は、紙のゲームを、よく作ってたんです。
僕は、自分に唯一、特技があるとしたら、
ゲームバランスを調整することだと思うんですよ。
ゲームバランスを調整すること!?
そういうのが、好きなんですか?
すごく好きなんですよ。
そういう性格なんでしょうね。
それは、向き不向きありますよね。
かなり緻密な計算が要求されるでしょう。
小学校2年生ぐらいの時に、
サイコロの掛け算の期待値とか、
学校で教えてくれるわけじゃないんですけど、
自分で計算してたんです。
小学生の低学年で?
サイコロを2個振った時の値を、
6×6の36個のマスの中に入れていって、
その平均を出すと、12.25っていう期待値になるんです。
そういうのを自分で発見してました。
(笑)スゴい!
確率とか統計を学校で勉強する前に、
自分でやり方を編み出しちゃってるんですね。
たとえば、サイコロの2乗に、
どういう数字を掛け算したり足し算したりすると、
攻撃力のパラメーターとしてバランスがいいか、
みたいのを考えたりとか。
うんうん。
ドラクエみたいなゲームを作る時に、
その計算式の調整は、ものすごく重要ですよね。
そうなんです。
当時、ゲームを作る時に目標にしてたのは、
授業の休み時間に遊ぶ時、
5分でみんながその面白さがわかって、
また次の休み時間に続きをやりたいと思ってもらう、
ってことだったんです。
その発想が、もう、
すでにプロっぽいですよ。
あの頃の自分が、わりと、
今の自分のライバルですね。
時間から逆算して、設計していくんです。
たとえば野球ゲームだったら、1回分の攻守を5分として、
それでちゃんと遊べるように、クラス全員を選手として、
それぞれパラメーターを入れていって。
ぶははははは!
ファミスタの、リアル友達版を作っちゃったみたいな。
それも、カードゲームなんですか?
カードです。
この人は、投げられる球種の数が多い、とかあって、
ピッチャーは、手持ちのカードから投げる球を選んで、
バッターは、打つか打たないか決める、と。
投げた球に対して相性がいい選択をしたら、
ヒットになる、ってことですね。
そう、で、サイコロ振って、
プレイヤーのパラメーターで掛け算をして、
この数字の場合はツーベースヒット、とか。
そういうのって、何か、
その頃に遊んでたゲームから、
着想を得て作ってたんですか?
僕の場合は、着想は、
カードゲームやテーブルゲームからじゃなくて、
テレビゲームからだったです。
あ、元は、カードゲームじゃないんですね。
学校じゃファミスタは遊べないから、
代わりにカードで作っちゃおう、と。
そう、そういう発想です。
ほんとは、テレビゲームが作りたかったんですよね。
で、大学生で、ゲーム会社でアルバイトをしてた時、
先輩に、プランナーをやりたいっていう話をしたら、
「プランナーはつぶしがきかないから、
プログラムも書けたほうがいいよ」って聞いて、
卒業後に、プログラムを書く会社に就職したんですね。
そこでは、
ゲームを作ってたわけじゃないんですか?
ゲームじゃなくて、サーバ系の、
UNIXのコマンド用のプログラムとか、
web系のプログラムを作ってたんですけど、
今思うと、そこの会社がすごく良くて、
ソースが、ものすごくキレイだったんですよね。
最初にプログラムを勉強する時に、
どういうソースを見るかっていうのは、
ものすごく重要ですよね。
はい、そう思います。
ただ、その頃にすごく感じたのは、
どんなにいいプログラムを書いても、
インターフェイスとかデザインが悪いと、
ユーザーの興味を惹かないっていうことだったんです。
だから、その後に、webデザイナーに転身して。
プログラムだけじゃなくて、
デザインのことも自分で勉強したんですね。
その頃に「web Creators」っていう雑誌が創刊して、
管理者画面がすごくかわいい、っていうのが売りの、
自作の掲示板プログラムを掲載してもらったことがあったんです。
(笑)管理者画面がかわいいってのは、
本当のオシャレですよ。
あはは・・ありがとうございます。
それの派生で、フルCMSの、
ブログみたいなものを構築できるパッケージを作った時、
友達の家入一真さんが、それを見て、
自社サービスとして使いたいって言ってくれて。
それで、そのサービスと一緒に3年間、
paperboy&co.にジョインして仕事してたんです。
そうだったんですか!
それも、デザインにこだわったCMSだったんですか?
そう、やっぱり見た目を重視してて、
デザイナーさんとか、写真家さんとか、
そのデザインを気に入ってくれた人が使ってくれてましたね。
そういう経験があるから、
自分でひととおりの制作が出来ちゃうんですね。
僕、『人狼ゲーム』を、
キャラクターデザインもプログラムも全部、
鈴木さん一人で作ってるっていうことに、
ものすごくビックリしたんですよ。
「市民」の絵なんかは、
10年以上前のすっごい古い雑誌とかから、
写真や服をピックアップして、それを元に
レタッチしまくってるんです。
顔とか服とかもう、元のものとは全然違うんですけど。
いちおう、元の写真があるんですね。
はい。で、やってるうちに、
もう元の顔とは関係ないぐらいにレタッチしちゃうんだから、
身体のバランスだけがわかればいい、って思って、
途中から、自分でポーズをとって写真を撮るようにして。
これも、モデルは僕なんですよ。
そうなんですか!
もう、完全に本職のレタッチ技術ですね。
なんかコツをつかんできました(笑)。
今、VPSのサーバーを借りて、
環境を構築してるんですけど、
ちょっと、サーバーの管理とか、
プログラムまでやるのは厳しいって思うこともあります。
でも、仮に、3人で手分けして作るのとどっちが楽しい?
って考えたとき、、、どうせ遊びだって考えたら、
スピードを重視する必要もないし。
一人でやった方が楽しいかもな、って。
そうですよ。
自分で全部を作れるっていうのは、
仕事じゃないからこそ出来る、最高の遊びだと思います。
やっぱり、ゲームで遊ぶのも面白いですけど、
自分が作ったものを人に遊んでもらう、
っていうのは、更に面白いですよね。
そうなんです。
あと、iTunesのAppStoreのランキングで、
自分のソフトが、大手のゲーム会社さんのソフトと、
同じ土俵で競えるなんていうのも、
すごく嬉しいことですね。
憧れの会社さんたちですから!
『人狼』のバランス
『人狼ゲーム』っていうのは、もともと、ベースになってるのは、カードゲームなんですよね?
そうなんです。
カードをみんなで配って行って、
ゲームマスターの人が進行をするゲームだったんです。
『人狼ゲーム』は、どこかの会社や人が
著作権を持ってるっていうわけじゃないんですか?
昔からあるゲームなので、
『じゃんけん』みたいに、誰のものっていうのはなくて、
コモンライセンスになってるんです。
カードゲームも、何社かから出ていて。
じゃ、誰でも、
自由にオリジナル版を出したり、
カードをアレンジしたりしていいんですね。
そう、そういう、
コモンライセンスになってるっていうのが、
iPhone版を自分で作ってみようと思った、
1つの大きな理由でした。
この、iPhone版のカードは、
元の『人狼ゲーム』にあったものじゃなくて、
鈴木さんが追加してるものなんですか?
僕が追加してるものもあって、
カードの役職の名前の付け方なんかも、
オリジナルからは変更してます。
iPhone版の「吸血鬼」っていうカードは、
カードゲーム版では「妖狐」って言ったり、
「ハムスター変化」って言ったりで、
なんで人狼とハムスターが戦うのか
ちょっと意味わからないんですよね(笑)。
(笑)「ハムスター変化」って!
それ作った人も、スゴいセンスですね。
そのまま使うと、
ストーリーとの辻褄が合わなくなってくるので、
カードは、基本的には、
自分が納得する形で入れるようにしてますね。
ただ、これまでに普及している人狼ゲームの
カードを、そのまま使いたい人狼ファンの方も
たくさんいまして、そのバランスを取っています。
そのカスタマイズの時、
ゲームバランスが崩れたりはしないんですか?
今回、カードの枚数を考える時、
このカードが入ると勝率がどう変わるか、
っていうことを計算して、調整をしたので、
元のものよりもバランスが改善したと思ってます。
『人狼』って、プレイヤーの人数が奇数か偶数かで、
ゲームの進め方が大きく変わってくるんですよ。
ロジックで、かなり細かいところまで
考えることができるんですね。
そういう要素を考えて、
このカードとこのカードが入ると、
どのぐらい影響し合うか、っていう表を作って、
バランスをとりながら、カードを追加するようにしてます。
社会の縮図
鈴木さんが『人狼ゲーム』を作ろうと思ったのは、元のゲームが面白いと思ったからなんですか?
初めて『人狼』のカードゲームやった時に、
衝撃的な体験があったんです。
おお!?
僕の大好きな先輩が、
明らかに僕は「市民」だっていう感じになってるのに、
「なんとなくゲームを誘導してるように見えるからあやしい」と、
疑ってきたんですね。
ロジックで考えると、僕が「人狼」である可能性はほぼ無かったので、
じゃあ先輩が「人狼」だ、と思って、裁判で処刑したんです。
先輩が、「人狼」であることを隠すために、
鈴木さんが「市民」なのを知った上で、
疑いをかけてきたと思ったんですね。
でも実際は、その先輩の、単なるミスだったんです。
そのことが、忘れられないぐらい、
自分の中ではトラウマのように残って、ドーンと、
胃袋のあたりが痛くなる気持ちになったんですよ。
こんなに自分を重たい気持ちにさせたゲームは初めてだな、
と思って。
それは、なんだろう、
自分の想像を超えていたから、っていうことですか?
『人狼』をやると、
一見、ロジックで判断が出来そうなんですけど、
でも、理屈どおりには進まないじゃないですか。
パズルゲームみたいに、
完全にロジックで完結するものじゃなくて、
人が関わってるから、気分とか、誰かのミスとか、
偶発的なものが入ってきますよね。
マンガとか探偵物の小説の話だったら、
理屈が通れば、それできれいに解決するんですけど、
でも、現実の世界は、いくら古畑任三郎みたいな人が
筋道を立てて理屈を語っても、
まわりの人が、「あの人はあやしい」って言えば、
その人が犯人になっちゃったりしますよね。
雰囲気とか世論みたいな、感覚的なもので、
犯人が決めつけられるってことはありますね。
その理不尽さが、この現実社会なんですよ。
それを、僕は理解してなかったんです。
自分の大好きな先輩を疑う、「黒い自分」を発見して、
自己嫌悪を感じちゃったんですね。
そこまで感じちゃったんですか!
そう、なんか、『人狼』を通じて、
本当の自分を見ちゃった気がしたんです。
やっぱり自分は黒かったか、みたいな。
でも、他の人に聞くと、別に、
僕のことを、黒いとは思ってなかったりして、
感じ方って、人によるんですよ。
それで、このゲームは鏡なんだな、って思ったんです。
ゲームへの接し方で、
自分自身のことがわかるんですね。
そう、やる人によって、
結局は自分自身が映し出されていて。
それが何か、今の人たち、
特に日本人に必要だと思ったんですよね。
それで作り始めた、っていうのがきっかけだったんです。
最初に『人狼』をやった時に、
かなり、惹きこまれたんですね。
惹きこまれましたね。
その一方で、こんなゲームは二度とやらない、
って思うぐらい、拒否反応もすごくありました。
で、二回目、三回目ってやり続けた時、
自分の考え方をガラっと変えて、
「人狼を探す」っていうスタンスから、
「人狼じゃないと思う人を探す」
っていうスタンスに変えたんです。
ああ!
「疑うゲーム」から、
「信じるゲーム」に変えたんですね。
はい。
日本人て、なんとなく、
この人は、ここに所属してるから大丈夫、とか
なんかいい人そうだから大丈夫だろうって、
契約書も結ばないで信じちゃうこと多いでしょう。
あの人の知り合いだから間違いないだろう、とか。
そうそう!
でも、それって、
本当の意味で信じてるわけじゃなくて、
ちょっとしたことで、信じてた人が、
もう信じられない人、に変わっちゃうんですよね。
『人狼ゲーム』をやってると、
色んなアクシデントがありながらも、
話してるうちに、相手のことを理解していって、
だんだんと「信じられる」関係に変わっていくんです。
これが、本当の「信じあう」だな、と。
コミュニケーションの過程で、
少しずつ、信頼が築かれていくんですね。
そうなんです。
これって、相手の立場に立つことが出来るかどうか、
っていうゲームだったりするんですよね。
自分が「人狼」のカードを引くとわかるんですけど、
「人狼」のカードを引くと、手が震えますし、
誰かに「人狼ですか?」って尋ねられた時に、
「違います」って言うのって、結構難しいんですよ。
(笑)たしかに。
どこかに、動揺があらわれますよね。
心臓がドキドキしたり、
手が震えるのを抑えるのに、苦労するんですね。
それを一回体験すると、自分と同じように、
手が震えてる人がいるかとか、そういう視点になってくるんです。
でも、「人狼ですか?」って聞くこと自体、
日本人って、苦手なんですよ。
「あなたウソついてますか?」とは、
なかなか正面から聞けないですよね。
そうなんです。
でも、そういう確認をお互いにすることが、
決して悪いことじゃないって、
なんとなく、わかってくる。
なんか、演劇的ですね。
ロールプレイングとして、たとえば泥棒とか、
普段の自分と違う役割を与えられて、
それを演じるっていうのは、相手の立場に立って想像する
っていうことの、すごくいい訓練になると思うんです。
そういうことが出来るゲームなんですね。
まさに、そうですね。
自分がこのカードを引いた時にはどういう態度を
とればいいですか?って聞く人もいるんですけれど、
基本的には、ウソをついてない人のほうが多いんだから、
みんなでウソをつかないで、
自分が思ってることを信頼ベースで話していったら、
市民側が負けるはずがない、っていうのが、
僕の理論なんです。
スゴい!
これ、ある程度回数を重ねないと
その奥深さがわからないですね。
『人狼』は、
社会の縮図みたいな感じがします。
『ドッグヴィル』っていう映画があるんですけど、
僕は、『人狼』をやってて、
その映画のテーマにすごく近いと思ったんです。
どういう映画なんですか?
人里離れた小さい村に、
素性の知れない美人が一人迷いこんでくるんですけど、
閉鎖的な村だから、みんな最初あやしむんです。
住人に受け入れてもらうために、
その女は、自分はあやしいものじゃない、
っていうことを必死で訴えるんですね。
それを信じる村人と、疑う村人の二通りに分かれて、
話し合いを毎晩繰り返すうちに、
村人ひとりひとりの本性が現れてくる、
っていう話しで。
ああ、なんか、似てますね。
『人狼ゲーム』のコンセプトは、
「あなたを信じています、私を信じてください」なんですよ(笑)。
そういうコンセプトがあったんですか!
僕の中にだけあるコンセプトなんですけどね。
ゲームを作る時は、言いたいテーマがまずあって、
それを表現する手段として、
絵とか音楽とかいろいろある中で、
僕は、ゲームを通じて表現している、
っていう感じなんです。
今、オンライン版を作ってるんですけど、
そっちはストーリーをちゃんと作ろうと思っていて。
時代や舞台を設定して作ってるんですか?
14世紀のヨーロッパが舞台で、
当時、ペストが流行して、
人口が3分の1ぐらい減ったんです。
それは、疫病だけのせいじゃなくて、
伝染病と疑われている人が集められて、
魔女狩りのように殺された人もいるんですね。
その時代に人狼がいて、っていう話を作ろうと思ってるんです。
お互いに対して、
疑心暗鬼になっている雰囲気なんですね。
その中に、テレパシーの能力を持った人がいて、
別のプレイヤーと秘密の会話ができる、、みたいな。
詳しくはゲームができあがったら
お見せしますね!
面白い!
他のプレイヤーには知られずに、
会話をすることが出来るようになるんですね。
人狼っていう存在が、ゲームの寓話ではなくて、
実は現実世界でも、過去に、
ヨーロッパの人口の3分の1を奪うぐらいのことがあって、
その人間性は、今の時代もそんなに変わってないよね、
っていうことが伝われば、いいのかなあと。
仮に今、新種のウィルスなんかが登場したら、
また、ペストの時みたいな混乱が起こる可能性が
ありますよね。
ちょうど、「人狼」を作ってる最中に震災が来たので、
なおさら、そのことを考えたんです。
これから被災地の現場で、いろんな人が出るだろう、と。
リーダーシップ取りたがる人もいるだろうし、
とにかく手を動かしたいという人もいるという中で、
どうやって、お互いを信じあっていけばいいのか。
「人狼」は、そういう場面での、
コミュニケーションの訓練になるかもしれないですね。
そうなんです。
相手の表も裏も理解した上で、
信頼を築くためのコミュニケーションをとることが出来たら、
それはきっと、役に立つスキルになるんじゃないかと思います。
(2012年4月 東京都港区にて)
【清水宣晶からの紹介】
『人狼ゲーム』という、ものすごく面白いiPhoneアプリがあるという噂を聞いて、初めて遊んでみたのは、一年くらい前のことだった。
その後、人が大勢集まる機会がある時に、『人狼ゲーム』を何度かやるうち、少しずつゲームの奥深さが理解出来てきて、そのゲームバランスの秀逸さがわかってきた頃、開発者である鈴木さんのお宅で遊ぶ機会があった。
その時、話を聞いて驚いたのは、鈴木さんが、デザインからプログラムまで、アプリのすべてを一人で制作していたということだった。
ソフトハウスが様々なジャンルのプロを集めて作るようなクオリティーのゲームを、一人で、仕事の合間に作ってしまうというのは、尋常なことではない。
しかも、ものすごくオシャレな人で、本業では広告代理店のプロデューサーをやっているという、そのミステリアスさにますます興味を惹かれて、別日に、じっくりと話を聞かせてもらいに行った。
鈴木さんは、モノ作りに必要なひととおりのスキルと思慮深さと根気強さを、高いレベルで持ち合わせた、根っからのクリエーターで、話をしていて、ものすごく刺激を受ける部分が多かった。
(実際に『人狼ゲーム』をやっていない方には、今回の話しがイマイチ伝わりにくいところがあると思うので、iPhoneをお持ちの方は、ぜひ実際に体験をしてみてください)
『人狼ゲーム』という、ものすごく面白いiPhoneアプリがあるという噂を聞いて、初めて遊んでみたのは、一年くらい前のことだった。
その後、人が大勢集まる機会がある時に、『人狼ゲーム』を何度かやるうち、少しずつゲームの奥深さが理解出来てきて、そのゲームバランスの秀逸さがわかってきた頃、開発者である鈴木さんのお宅で遊ぶ機会があった。
その時、話を聞いて驚いたのは、鈴木さんが、デザインからプログラムまで、アプリのすべてを一人で制作していたということだった。
ソフトハウスが様々なジャンルのプロを集めて作るようなクオリティーのゲームを、一人で、仕事の合間に作ってしまうというのは、尋常なことではない。
しかも、ものすごくオシャレな人で、本業では広告代理店のプロデューサーをやっているという、そのミステリアスさにますます興味を惹かれて、別日に、じっくりと話を聞かせてもらいに行った。
鈴木さんは、モノ作りに必要なひととおりのスキルと思慮深さと根気強さを、高いレベルで持ち合わせた、根っからのクリエーターで、話をしていて、ものすごく刺激を受ける部分が多かった。
(実際に『人狼ゲーム』をやっていない方には、今回の話しがイマイチ伝わりにくいところがあると思うので、iPhoneをお持ちの方は、ぜひ実際に体験をしてみてください)