住田涼


1994年大阪府生まれ。
岐阜大学に通う傍ら、2016年に市民団体「ぎふマーブルタウン」を設立。以後、代表を務める。
地域の子どもと大人が互いに学びあえる「共育都市」の達成を目指している。
ひとづくり・ものづくり・まちづくりに熱中してます。

【過去の掲載記事】
https://www.gifu-u.ac.jp/news/news/2015/12/entry10-2817.html
工学部住田涼さんが学長に受賞報告を行いました(国立大学法人 岐阜大学)

http://trapro.jp/articles/753
子どもだけの仮想都市「マーブルタウン」の “教えない”教育とは?(TRAPRO/リディラバ メディア事業部)
(2018年4月 東京八重洲口「上島珈琲店」にて)

自分の頭で考えて、自分の手で選択する

(清水宣晶:) 今日は、東京の滞在中に時間をいただいて、ありがとうございました。
ぎふマーブルタウンは、先週だったんですよね?

(住田涼:) はい、先週の3月21日に開催して、ようやくひと区切りつきました。
(※マーブルタウンは子どもたちが創る仮想の街。独自通貨でやりとりをして、それぞれ自分の好きな職業につく。ぎふマーブルタウンHP

何人ぐらい参加したんですか?

今回は子どもたちが740人、ボランティアスタッフが80人です。


あ、そんなに!
参加しているのは、岐阜市内の小学校の生徒たちですか?

市外からも少しは来たりするんですけど、市内がほとんどですね。

岐阜市内だけでそれだけの人数の小学生が集まるっていうのは、すごいなあ。
マーブルタウンでは、子どもたちに「何をしなさい」っていう指示を出さないんですよね?

おおまかな方向は示すんですけど、あまり厳密には決めていなくて、あとは子どもたちにまかせるようにしていて。
出来るだけ余白をもたせて、自分たちで好きなように描いていけるようにしてるんです。

対象は、小学校1年生から6年生までですよね。
何をしていいかわからない、っていう子はいないんですか?

初めて来た子もいるので、そういう子にはいくつか選択肢を提示して選んでもらいます。
一番大事にしてるのは子どもが自分の頭で考えて、自分の手で選択することで。
必ずしも選択肢から選ぶ必要はなくて、自分でこういうことやってみたいって言ってくれる子はそれをやってもらうんです。


子どもがつくる職業って、何かを作って売るっていう小売業は想像つくんですけど、それ以外の職業って、その場で出来る仕事は限られてたりしませんか?

そうですね、物理的な条件もあるので出来ることが限られてはいるんですけど、その中で新しい職業が生まれたりもします。
たとえば、ぎふマーブルタウンでは7階建ての会場を使わせてもらっていて階の移動があるので、エレベーターガールやエレベーターボーイっていう職業を作ってくれた子がいたり。

ああ、なるほど!
それは面白い。

本家の岡崎では映画館を作った子もいました。

映画館を?
どうやって作ったんです?

ブルーシートとかダンボールを使って暗い空間を作って、その中でビデオカメラで動画を流して。

そうか、プロジェクターがなくても、ビデオカメラの本体を使ってそのまま上映できるんですね。


あと、自衛隊っていう職業が生まれたことがあって。

それは、何をするんですか?

何をするのかと思って見に行ったら腕立て伏せとか、ほふく前進とかの訓練をしてたそうです。

ぶはははは!
よく思いつくなあ。


お店を出す子たちも、一ヶ月とかかけて商品開発したりしていてかなりガチなんですよ。
「マーブル」っていう独自通貨を使っていて、大人から見れば紙でしかないんですけど、子どもにとっては自分が時間をかけて稼いだお金だったり、全然見知らぬ子どもが稼いだお金を使って自分の商品を買ってくれたお金で。

自分の商品を認めてくれた証になってるんですね。

そうなんです。
だから思い入れ深いというか、印象に残るというか。
子どもたちの商品って、数マーブルぐらいが平均の単価だったりするんですけど、50マーブルぐらいで売ってるクッションがあって。

相場からすると、えらい高額商品だ。

それは時間をかけて丁寧に作られた手作りで、布の中にちゃんと綿が入ったクッションなんですけど、(開催会場の)ドリームシアターの館長はそれを買って、仕事中にイスに挟んで使ってますね。

普通に愛用出来るクオリティーの物が売られてるんですね。

前回は、電気のスイッチを装飾するためのアイロンビーズの作品があって、これもすごく面白いなと思って。


(笑)この発想は面白い!
これほんと、普通に売れそうだなあ。
使いきれなかったマーブルは、どうなるんですか?

持って帰ってもらって、また次にも使えます。

あ、また持ち越して使えるんですね。
それは回数を重ねて続けていくと、「夏の縁日」みたいな恒例行事になってきて、子どもたちも楽しみになるでしょうね。

そうなんです。
しかも、自分が出店する側になるっていうのがまた、他のイベントにはない楽しみになると思います。

生産すること自体の楽しさ

住田さんは、もともと、教育っていう分野に興味があったんですか?

もともとは、とくに興味はなかったんです。
初めてマーブルタウンに参加した時も、普段全然子どもと関わる機会がなかったんで、「教えなきゃ教えなきゃ」と思って行ったんですけど。
子どもが結構自分の頭で考えられる、しかも、なんだったら僕らよりも柔軟な発想を出せるっていうのを見ているうちに、なんか全然、こっちが教えなきゃいけないことってないんだなって実感して。

はい。

僕、工学部に行ってるということもあって、もともとモノづくりに興味があるんですけど、それに加えて子どものキャリア教育っていうところを出来たら面白いなと思って。
僕自身、半年のインターンで工具の商品開発をしたんですけど、お客さんから「こんな商品を待ってたんだよ!」って言ってもらった時、すごく嬉しかったんです。
やってよかったなって。
それが自分の中でも人生の指針になったところがあって。

自分が作ったものが人の役に立って喜ばれる、っていう反応があるのは嬉しいですよね。

たとえば、パイロットになりたいっていう子はいても、飛行機を作りたい子ってあまり見ないじゃないですか。
Youtuberになりたい子はいても、Youtubeみたいなシステムを作り出したいっていう子はなかなかいなくて。

たしかに、「なりたい職業」の中には出てこなさそう。


それは、成熟社会だからっていうことがあると思うんです。
いろいろモノは満ち足りているじゃないですか。
だからこそ、今あるものを使ってより発展させるっていう考えになりやすくて、それはそれでいいと思うんですけど、「こういうのを待ってたんだよね!」っていう反応を得る喜びを子どもたちに知ってもらえたらいいなと思って。

そうか、それでマーブルタウンでは、なるべく大人が完成品を用意しないような形にしてるんですね。

生産すること自体の楽しさっていうのも、もっと気づいてもらえたら世の中もっと楽しくなるんじゃないかなと思います。
僕自身がそういう新しいものが生まれるのを見るのが好きっていうのがあって、VALUを初めて見た時も「こんな発想があるんだなあ」ってすごいワクワクしたんです。
僕がマーブルタウンを続けられているのは、子どもの新しい発想が見られるからっていうところがすごく大きい気がします。

今、住田さんは具体的なモノを作りたいっていうよりは、マーブルタウンを育てることが楽しみなんですね。

そうですね、「子どもが成長していける仕組み」を作りたい、っていうことだと思います。
物理的なモノっていうよりも、サービス的なもの。
自分自身が何かを生み出すっていうのもすごく楽しいし好きなんですけど、面白い物を生み出せる人を生み出すっていうのも面白いなと。

住田さんは、学校とかの、公教育の部分にも興味ありますか?

公教育よりは、やっぱり、マーブルタウンみたいな形の教育のほうがずっと興味がありますね。
公教育を否定したいわけじゃなくて、その補助ができればいいなと思ってるんです。
五教科の勉強とか既存の教育も必要だと思うんですけど、今の時代はそれに加えて、子どもが自分の頭で考えて自分の手で選択出来るっていう環境が必要だと思うので。

うんうん。

僕一人でどうこうっていうよりも、街全体で子どもを育てられるならそれが一番いいと思っていて。
既に学校があるし、塾もある。
じゃあ自分は他にどこを補おう、みたいな感じですね。

マーブルタウンは年に2回だけしかないから、もっと日常的に体験できれば、もっといいんでしょうね。

そうなんです、子ども達とは年に数日しか関われないので、365日カバー出来るっていうのが僕らも目指すところで。
だから、家庭環境が一番大事になると思ってるんです、やっぱり。
子どもがいろんなものに興味を持てて、それに突っ走れるという環境をひとつひとつの家庭でどれだけ作れるか、っていうところもまた、うちのミッションだと思っていて。

そこもやりますか!


やりたいですね。
マーブルタウン的な思想をどこまで伝えられるかだと思っていて。
子どもがこれをやりたいっていうものを見つけた時に、それをどれだけ見守れるか。

なるべく、周りが口を出さないで。

マーブルタウンのとりあえずとしては、子どもが自分自身の興味とか関心を模索出来るっていうところに持っていければいいのかなと。
たとえば物を売るにしても、クオリティーの高い高単価高付加価値のものを作る子もいれば、営業で売ろうとする子もいれば、接客のサービスで売ろうとする子もいるんです。
そういう、自分はどんなことが好きで、何が自分に向いているのかっていう傾向を探し出すきっかけになればいいなと思ってます。

何もないからこそ生まれる楽しみ

マーブルタウンを開催するにあたって、岐阜っていう場所を選んだのは、なにか住田さんの思い入れがあったんですか?

通っている大学は岐阜にあるんですけど、特別な思い入れっていうのは実はあまりなくて。
そもそも僕が住んでいるのも名古屋だったりしますし。
でもたとえば名古屋を活性化させたとしても、あまり印象には残らないと思ったんです。


名古屋はもう充分にリソースありますもんね。

そうなんです。
岐阜って基本的に「何もない県」って言われることが多くて。

岐阜といえばこれ、みたいなものはあまりすぐに浮かばないですね。

そもそも「どこ?」みたいな。
愛知にいる人でさえ「岐阜ってどこ?」っていう人がたまにいるぐらいで。
何もないって言われている岐阜を活性化させるからこそ、その効果が見えやすいというか。
なんか最近、岐阜出身の面白い人が増えてるけど何かあった?」ってなったら面白い。

それは最高ですね。
どうやら共通してみんなマーブルタウンっていうのに参加しているらしいんだけど?って。

岐阜って結構、面白いプレーヤーが多いんです。
経営者の人たちも、何もないからこそ活性化させようって思っています。
今、「ドリームシアター岐阜」っていう7階建ての建物を会場にしているんですけど、そこの副館長の方を紹介していただいた縁で会場として使わせていただいたりとか。
地域が狭いからこそキーマンに会いやすいというか。
副館長さんに最初にマーブルタウンの話をした時、「じゃあ全館貸切でやろうか」っていう話しになったんです。

あ、いきなり最初から貸切で。

そうなんです、全然僕ら実績が一つもないのに。
それを提案してくださるっていうのはすごいことだなって思いました。

そうか。
何か新しいことをやるなら東京に行かなきゃって思いがちですけど、地方のほうが始めやすい面もありますね。

東京は人も情報も多いですけど、地域のキーマンに会いやすいということでは地方のほうがずっと身近だと思います。


岐阜は、移住先っていうことではあまり話しを聞かないですね。

移住する人は、今はそんなにいないんじゃないかなと思います。
でもインバウンドは最近増えているらしくて。
海外から来た人が、セントレア空港から観光で飛騨高山とか白川郷まで登っていく『昇龍道』って呼ばれるルートがあるんですけど、その途中に岐阜市があるので、そういう昇龍道を通る人たちの呼び込みを頑張っているみたいですね。

位置的にも日本の真ん中だし、ポテンシャルはありそう。

今は僕も名古屋に住んでいるんですけど、自分で生計が立てられるぐらいになったら岐阜に移住したいですね。
何もないからこそ発展させる楽しみがある、と僕は思っていて。

それは、マーブルタウンもちょっと似た感じがしますね。

そうなんです。
子どもたちにあれこれ用意しすぎない、っていうところは大事だと思います。
たとえばキッザニアなんかは、既に完成しているプログラムに子どもたちが入っていきますよね。
それはそれでいいことだし、子どもたちがリアルな職業を体験出来るっていう価値はあると思うんですけど、マーブルタウンは逆に言えば、職業体験ではないんですよ。
「子どもが自分で作る」っていうところに重きをおいていて。

実際のところ、それで回るもんなんですか?
「さあ、自由にやってごらん」って言ってまかせて、進みますか?

たとえば1時から国王選挙をやるよとか、ある程度のアウトラインは決めていますけど、それ以外のところは子どもたちが自分で進めていきますね。

国王選挙?

議員会館っていうブースが選挙を企画運営するんですけど、そこで働きたいっていう子どもたちに「1時に国王選挙をやろう」って言って。
そのために、どういう投票で決めるかとか、そもそも国王の立候補者をどうやって集めるかとかを自由に考えて決めてもらうんです。


え?
それを、当日その場で話して決めるんですか?

当日ですね。
その内容は自分たちで決める、で全然OKです。
だから、その回ごとに国王選挙もいろいろで。

うわー、、、
それ、けっこう運営側は怖くないですか?

ひやひやですよ(笑)。

その、何が起こるかわからない感がすごい。

若干、カオスっちゃカオスです。

そうですよね。
だからマーブルタウンって、どっかの会社が事業として運営しようとしたらムリな気がします。

会社がやるのは、ちょっとえぐいと思いますね。
それに、キッザニアなんかは参加費6,000円とか取ってると思うんですけど、もしそれと同じことをやったら、保護者から大クレームがくる気がします。

あ、そうか。
それだけお金取ってるんだから、「ちゃんとやってください」と。

でもそういう、あやふやな余白があるからこそ、予期せぬものが生まれると思うんです。
前の回では、選ばれた国王が、保護者が迎えに来て帰っちゃったことがあって。

ぶははははは!
途中で国王が帰っちゃうっていう。


まあ、僕たちはそれでどうこうっていうことはなかったんですけど、子どもたちが「国王帰っちゃったぞ」って動揺しちゃって。
急遽、二回目の国王選挙が勝手に開催される、っていう。

それ面白いなあ。
子どもたち自身が、危機感を感じたんですね。

子どもたちなりに、国王とか選挙の重要性をフワッとでも感じてくれてるんだなあって思って嬉しかったですね。
立候補者が20人くらいいるんですけど、順番に立候補演説をしていって。
それだけいると、途中からだれが何しゃべったか分からないじゃないですか。
だから、演説の後に拍手をしてもらってその数で決めよう、ってことになったんですけど、やってみたら拍手している人の数が分からなかったと。
それで、拍手の代わりに手を挙げてもらって数えようってなったりとか。
そういう、子どもたち自身で次々とPDCAを回して再チャレンジ出来るっていうのもいいなと思って。


そこまで自発的にちゃんと回るんですね。
見ていても面白そうだなあ。

毎回ほんと、スタッフの側はひやひやですけど(笑)。
見ていて面白いのは間違いないです。

街ぐるみでの子育て

これやっぱり、会社がやったらそこまで自由には出来ないですよね。
親とか株主とかに対して、たぶん説明責任とか考えるじゃないですか。
「これに参加すると、対価としてこういうスキルが得られます」とか。

まあ、その責任を子どもたちに丸投げしてるっていうことでもあるので、無責任と言ったら無責任なんですけど(笑)。

いや、そっちのほうがずっと難しいですよ。
自分が主催することを考えたら、怖いですもん。
誰も動かなくて終わっちゃったとか、予測不可能なことをやる子が現れて収集がつかなくなった、とかなる可能性もあるし。


だから、初めてのスタッフの人なんかは不安になる人もいますね。
どこまでやっていいのかわからない、とか。
「全然、気負わなくて大丈夫ですよ」って伝えてるんですけど。
まあ、回らなかったら回らなかったで、その時考えましょうっていうスタンスで。
子どもたちが動かずに止まってしまったってことは、今までに一回もないので。

あ、一回もないですか!

それは、余程のことがない限りないだろうなっていう気がしています。
子どもたちって何歳になっても、家庭の中では「子ども」として扱われることが多いと思うんですけど、マーブルタウンの中では子どもたちが主役なので、ひとりひとりを尊重して、子ども扱いしない。
そうすることで主体性を発揮して、うまく回っていっている感じがします。

マーブルタウンの中で、親は見てるんですか?

親は立ち入り禁止にしてるんです。

えええ!?

やっぱり、どうしても口出しや手出しをしちゃうので。
子どもたちも、保護者がいるとつい頼ったり甘えちゃったりが出ると思うので。

そうでしょうね。

で、ツアーガイドの職業を選択した子どもたちがやるツアーに参加して、中を見学することは出来るようになってます。


ぶはははは!
ツアーに参加する必要があるんですね。
それは面白いなあ。
スタッフの人たちにとっても、小学生たちと接する機会があるっていうのはいいですね。
子どもたちにとっても、学校以外の世界を持つっていうのは面白いと思いますし。

僕が初めて岡崎でマーブルタウンに参加した時、警察官になって「そこ止まりなさーい!」って、すごい張り切ってる子がいて。
その子に将来何をやりたいの?って聞いたら、「大学生になって人の役に立ちたい」って言ってたんです。

おおお。

その時はスタッフに大学生が多くて。
大学生ってそんな風に見られてるんだなっていうのが、すごく新鮮で。
そういえば自分が小学生の時、そもそも大学生のことって知らなかったんじゃないかなって。

子どもの時は大学生のことって、なんとなくすごい人、ぐらいに思ってたかも。


逆に僕らのほうも、子どもが自分の足で立てるっていうことを目の当たりに出来るし。
それですごくいい取り組みだなって思ったのが、自分でもやりたいって思う大きなきっかけだったですね。
子育てって、けっこう、苦しいとか大変とかっていう認識が今あると思うんですけど、楽しい面もあるよねっていうところが見落とされがちだなっていうのを感じてて。

子育ての苦しい部分って、お母さんと子どもだけで向き合って、家の中で閉じこもってしまう状況が続いてしまうから、っていうのは大きいと思います。
そこを大人数で関わって、みんなで育てていくようにすれば、だいぶ楽になりますよね。

だから、街ぐるみで子育てをするっていう。

僕は今、4歳と1歳の子がいるんですけど、教育を考える時、なるべく多様性のある環境に置きたいっていうのはすごくあります。
学校以外の複数の世界と接点が出来るっていうのはすごくいいですね。

電車の中で子どもが泣いていると「うるせーぞ!」とか文句言うおっちゃんがいるのって、そもそも子どもと接する機会が少ないからだと思うんです。
まずは地域の人が、子どもと接する機会を多くするっていうところが一番だなと。

うん、そこは、学校だけじゃカバーしきれない部分だと思います。


企業の生存戦略って、いろいろありますよね。
多くの企業は、どんどん組織を大きくしていくことによって生存をしていく、っていう道を選ぶと思うんですけど、僕らの生存戦略は「地域密着」なんです。

なるほど。

地域に根を張って密接につながりながら、地域の人たちにとってぎふマーブルタウンが「なくてはならない存在」になっていければいいなと。

必要とされている限りはつぶれることはないだろう、ということですね。

マーブルタウンは2016年3月に立ち上げて2年が経ったところなんですけど、ようやくその基盤がじょじょに出来つつあるのかなと。
去年の9月に予定していたマーブルタウンが台風で中止になっちゃった時も、保護者の方からfacebookページの投稿へ、「中止になったことを子どもに伝えたら大号泣になりました」ってコメントがあって。

(笑)そうとうショックだったんでしょうね。

それぐらい楽しみにしてくださっているんだなぁと思って。
そういう、地域にとって馴染みのある存在になれたのは、本当にありがたいことだと思ってます。


【ぎふマーブルタウン】
Webサイト:http://marbletown.wixsite.com/gifu
Facebookページ:https://www.facebook.com/marbletown.gifu
twitter:https://twitter.com/marbletown_gifu
(2018年4月 東京八重洲口「上島珈琲店」にて)

【暮らし百景への一言(住田涼)】
小学生対象のキャリア教育事業"ぎふマーブルタウン"そのものへのインタビューでもありつつ、住田という"人"へのインタビューでもあるため他のメディアさんからはあまり聞かれない僕自身のことまで丁寧に聞いていただけて、とても楽しかったです!
ありがとうございました!

清水宣晶からの紹介】
先日、僕のVALUを保有していただいているユーザーの方にランチをご馳走させていただく、という企画をおこなった時、すぐに応じて連絡をくれたのが住田さんだった。
こういうフットワークの軽さを持っている人はたいがい面白い人物というのが経験則で、今回もその期待が裏切られることはなかった。

小学生の子どもたちに全権をゆだねて、自分たちで好きなように物事を決めてOK、というマーブルタウンの話しを聞いた時、これはかなり頭や心が柔軟な人でないと始められない活動だぞと思った。
なにしろ、どんな予想外のハプニングが起こるかわからない。
怖くないですか?と住田さんに聞くと、「何か起こったら、その時に考えればいい」と答えた。
それで実際に何か大きな問題が起こったことは一つもないという。

住田さんは情報の発信が上手で、twitterやnoteやVALUなど、どんな新しいメディアもすぐにその本質を理解して使いこなしている。
今大学4年生の住田さんは、就職活動をする代わりに、デザインやレイアウトの勉強をして個人事業主として起業をする予定だという。
クラウドソーシングをはじめとする次の時代の働き方が見えている彼には、自分の道を進むことへのためらいがない。

そういう、独立独歩の精神がある住田さんだからこそ、子どもたちの可能性を信頼して、自分の足で歩き始めるのを静かに見守ることが出来るのだろうと思う。

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