笠井レオ
「Booklap」を展開するProsbee社のCEO。 スペイン・アメリカ・オーストラリアでサッカー修行を経験。 現在、大学2年生。 大学入学→Dyson→Whyteboardマーケティングインターン ・英日翻訳(RECOOD、他) ・大学講義ノート売買サービスCurapoマーケッター Booklap: http://booklap.com/ Blog: http://reokasai.com/ |
(2012年12月 渋谷「Bar AJITO」にて)
心に残ったフレーズを共有する
(清水宣晶:) いよいよ明日、「Booklap」の正式リリース、
おめでとうございます。
(笠井レオ:) はい、いよいよ。
ありがとうございます。
ベータ版の運用の段階で、
もうかなり登録がされてますね。
今、登録されているのが、
1300冊ぐらいです。
あらためて、
「Booklap」の特徴を説明すると、
どういうところなんでしょう。
今まで、本のレビューサイトっていろいろあったんですけど、
自分が気に入ったフレーズをコレクション出来て、
他の人と共有出来るっていうサービスはなかったと思うんです。
そこにフォーカスしたのが、Booklapの特徴です。
その、「言葉」に注目したっていうのは、
なにかレオくんの思い入れがあったんですか?
僕自身、本がすごく好きで、
気に入ったフレーズをtwitterで投稿したりしていたので、
そういうサービスがあればいいってことは思ってました。
僕も、自分のメモ用に読書の記録は残していて、
そのとき必ず、心に残った言葉をセットで書き写してるんです。
だからその、言葉を記録しておきたいっていう気持ちは、すごくわかります。
電子書籍がこれから普及することは、確信していて。
オフラインで本を読んでいた時は、
ドッグイヤー(ページの角を折る)をしたり、
マーカーで線を引いたりしてたと思うんですけど、
それが、そのままオンラインで共有出来るようになればいいなと。
気に入ったフレーズをBooklapに登録する時は、
ユーザーの人が、本から書き写して入力していくんですよね?
1月にiPhoneアプリをリリース予定なんですけど、
写真を撮るだけで自動でテキスト化される、
っていう機能を入れようと思っています。
えええ!?
それはスゴイ。
そうなると、本に付箋をはったり、ページを折ったりする代わりに、
iPhoneで写真を撮る、っていうことが定着するように
なってくるんじゃないかと思うんです。
それぐらい簡単にストックが出来るようになると、
そのやり方がスタンダードになりそうですね。
coboなんかには、好きな部分にマークをする、
ハイライト機能が付いてますけど、電子書籍から直接、
登録が出来るように連動させたりってこともありますか?
僕らは、電子書籍が普及するまでには、まだ数年かかると思っていて。
まだ多くの人が、リアルな本で読んでるので、
最初はアナログの書籍から入って、
徐々にデジタルに移行する体制を整えたいと思ってます。
そうですね。
デジタルの本の数が出揃うまで、まだ当分は、
アナログの本からフレーズを残す仕組みが必要と思います。
デザイン面では、
工夫したポイントってありますか?
デザインは極力シンプルにして、
フレーズが目立つようにしましたね。
本棚も、いろいろなバージョンを試して、
あまり本棚自体が存在感を出さないようにしました。
たしかに。
すごくシンプルに、テキストを中心にした、
ニュースサイトっぽい作りですよね。
なるべく、登録された言葉が、
パッと目に入るようにしたいなって思って。
試作の時は、機能をいろいろ詰め込んでたんですけど、
余計なものをどんどん削っていって、今の形に落ち着きました。
観ている人を楽しませる
僕、レオくんのプロフィールにもすごく興味あって、その話しも聞きたいんですけど、
かなり本格的にサッカーをやってたんですね。
外国生活は、結構長かったですか?
そうですね、結構日本と海外を行ったり来たりで。
サッカーをやり始めたのは小学校一年生ぐらいからで、
14歳のときに、スペインに行く機会に恵まれて、
レアルマドリードっていうクラブチームで修行していました。
すごいなあ。
そのときは、将来はサッカーをやる、
って思ってたわけでしょう?
そうですね、プロ選手になりたいって思ってました。
チャンスがあれば行く、って。
オーストラリアの高校に行ったのは、
もう、サッカーのためですか?
それに近いですね。
あと、一緒に、語学の勉強と、
いろんな文化にも触れたいなって思ったこともあって。
その時まではサッカーひとすじだったわけでしょう。
どこで、起業のことは考え始めたんです?
15歳の時に、アメリカに行って、
サンノゼに行ったことがあったんです。
サンノゼに、サッカーで?
親戚がちょうど近くに住んでたんです。
そのとき、サンノゼでいろんな起業家の人とか、
スタンフォード大学の学生に出会って。
それで、起業しよう、と。
シリコンバレーを見たら、
サッカーよりこっちのほうが楽しいんじゃないか、
って思ったんですね。
そう、で、
高校生の時に、Tシャツを作るビジネスを考えたり。
サッカーにも未練はあったんですけど、
一回チャレンジしてみたいなって。
サッカーと起業ってのは、
両方やってみて、共通点ってありましたか?
今5人のメンバーで作ってるんですけど、
チーム作りをどうするかとか、どうコミュニケーションするかとか、
モチベーションを上げていくか、っていうところなんかは、
すごく共通するところありますね。
なるほど、なるほど。
もともと、起業したきっかけも、
いろんな人を楽しませたいっていうことがあって。
サッカーをやってる時も、
観てる人が面白いと思ってくれるプレイをしたいっていう
気持ちがあったんです。
サッカーは特に、プレイを観て観客が沸く、
エンターテイメント性がありますよね。
起業は、海外で、ってことも考えてたんですか?
海外で始めたかったんですけど、
現実的に考えると難しいところもあって、
まず日本で立ちあげて、それを海外に発信したいなと思っていて。
それで、高校を卒業した後、
日本に戻ってきたんですね。
そういえば、レオくん、Booklapの前に、
大学生同士でノートを共有するサービスをやってたでしょう?
やってました。
このサイトですね。
おお、、
しっかり作り込んでますね。
今年の1月に友達と5人くらいで始めたもので、
授業に行かなくても、他の人が書いたノートを
買えてしまうっていうサービスだったんです。
これは、
ものすごい画期的な仕組みと思いますよ。
ただ、問題になってしまって、
すぐ閉鎖になって。
運用してたのは何日間ぐらいなんです?
2日間だけです。
5000人ぐらい来て、20件ぐらいの取引がありました。
(笑)ここまで作り込んだのに、
2日間だけで閉鎖になっちゃったんですね。
大学側から何か言われたんですか?
そう、ノートがやりとりされてた大学の、
最後には、学長から怒られて。
で、このサービスはやめちゃったんですけど、
この時、インキュベートファンドの和田圭祐さんと知り合って、
「これはダメだったけど、作りたいサービスがあるんです」
って話をしたところからBooklapの開発が始まったんです。
なるほど。
サービスの思想的には、Booklapと
ちょっと似てるところありますよね。
そう、講義ノートの共有はダメだったけど、
書籍とか、言葉の共有はアリなんじゃないかって。
じゃあ、このノート共有のサービスも、
ムダだったわけじゃなくて、
今につながってるところもあるんですね。
もう、ほんとにそうですね。
これがあったから、Booklapが生まれたんだと思います。
池田さん(※取締役COO、デザイナー)にも、
レオくんのことを聞いてみたいんですけど、
彼の強みっていうのはどこにあると思いますか?
(池田知晶:)海外経験があって、
世界を視野に入れてサービスを考えてる、
っていうところですかね。
英語に不自由しないっていうこともあるし。
あと、サポートしてくれる人に恵まれているっていうのは、あると思います。
まだ19歳だし、ちょっと興味を持ってもらいやすいっていうこともあって。
私自身も、彼がどこまでいくか見てみたいって気持ちがあります。
この若者がどこまで行くんだろうって、
応援したくなる雰囲気がありますよね。
僕も期待してます。
ありがとうございます!
がんばります。
(2012年12月 渋谷「Bar AJITO」にて)
【清水宣晶からの紹介】
レオくんの経歴で面白いのは、スペインのレアルマドリードをはじめとして、アメリカ、オーストラリアと、世界各国を舞台にしてサッカーの修行をしてきたことだ。
自身の左足ひとつで世界を熱狂させるサッカーの空気を味わった彼の目には、ベンチャー起業もまた、経験も年齢も関係なく、己の身だけで世界を相手に戦うことが出来る、魅力的なフィールドに映ったのだろうと思う。
レオくんの、その素直でさわやかな人柄が呼び寄せているものと思うのだけれど、起業早々から、出資をしようという人や、オフィスを提供しようという人たちの支援が集まり、順調なスタートをきっている。
起業後初めてリリースする日本発のサービス「Booklap」が、世界のどこまで広がっていくか、今からとても楽しみにしている。
レオくんの経歴で面白いのは、スペインのレアルマドリードをはじめとして、アメリカ、オーストラリアと、世界各国を舞台にしてサッカーの修行をしてきたことだ。
自身の左足ひとつで世界を熱狂させるサッカーの空気を味わった彼の目には、ベンチャー起業もまた、経験も年齢も関係なく、己の身だけで世界を相手に戦うことが出来る、魅力的なフィールドに映ったのだろうと思う。
レオくんの、その素直でさわやかな人柄が呼び寄せているものと思うのだけれど、起業早々から、出資をしようという人や、オフィスを提供しようという人たちの支援が集まり、順調なスタートをきっている。
起業後初めてリリースする日本発のサービス「Booklap」が、世界のどこまで広がっていくか、今からとても楽しみにしている。