もがみたかふみ
文章書き。のったらくったら生きている趣味人。日記を書くこと、文具を愛すること、写真を撮ること、音のある暮らしを続けること。東急ハンズとヨドバシカメラ。visionary。「サーカスとパン」で言ったら迷わずサーカスな人生。踊り続けるしかないんだよ。 誰も見ないもの、見ようとしないものを想像する。100年残るものを創造する。歩くように踊ること。友人に手紙を書くように文章をつづること。力まず軽やかに生きること。100年残るもの、歳月の重みに耐えるものだけを、丁寧に一生懸命作る。なりたいのはいつだって「ロビン・フッド」さ。 http://solcom.seesaa.net/ 人生を楽しもう。その逆は、まったく無意味だから。 ――Bob.Basso, PH.D |
(2008年2月 二子玉川「つばめグリル」にて)
享楽的な生き方
(清水宣晶:) もがみは今まで、フリーライターしてたから、時間が結構自由な生活してきたじゃない?何してること多いの?
(もがみたかふみ:) ボーッとしてる。
純粋に、ただボーッとしてるの?
そう。純粋に。
時間をつぶすことにかけては、かなり自信あるね。
(※もが注:厳密には「ボーッとしている」といっても、今まで読んだ本を読み返したり、ぼんやり考え事をしたりしているのであって、両手両足を拘束された状態でボーッとしていろと言われたら辛い)
一日中、誰とも会わないで過ごすのが寂しくって出来ないって人、いるじゃない。一人でいるってことも、結構耐えられる?
あー、全然大丈夫だし、一人の時間って好きだね。
メシとか、よく一人で食べられないって人もいるけど、ああいうのはないな。
どっちかっていうと、一人で食いたいぐらい。
決まった時間に毎日会社に通って、普通に会社員の仕事する、って、出来る自信ある?
やれば出来ると思うけど、それは、あまり望むところではないな。
(※もが注:心情的には「あまりやりたいとは思わない」くらいの感覚。かといって、“仕事ができる男”に憧れがないかというと、そうでもない。というか、この半年間は普通に会社員の仕事してたんだけどさ。0900~1830時勤務で。)
そのさ、、もがみの、「出来るけどやらない」っていうスタンスは一体何なんだろう。出来ないんだったら仕方ないんだけどさ。
出来るんだから、「やれ!」と言いたくなるよ。
(苦笑) いや、でもさ、俺、出来ないのもわかっててさ。
他の人が出来る、と言ってることが俺には出来ない、ってことあるんだよな。
何がダメなの?
何だろうな、、何か耐え難いものがある。
あんまし、それが伝わってこないんだよな。
確かに、「もう絶対この人会社勤めムリだろう」って人はいるけど、もがみはそんな感じはしないしな。
気持ちの持ち方の問題なんじゃないの?
まあ、そういうことなのかな。
普通なのが、イヤなんだろうな。
普通なのがイヤってことか!それ、面白いな!
誰でも出来ることやるのがイヤってことかな。
かな。
根が、享楽的な人間なんだと思うよ。
エピクロス派だなあ。
そう。文章書いていられれば、それでいい。
それ以外は、どうでもいい。
(※もが注:これまた、厳密には、いろいろどうでもよくないことはある。が、いずれも享楽的な趣味であることは間違いない。非生産的な性質が強い)
ああ、、、なるほど。
そういう気質か。
その割りに、あんまり破綻してないんだよな・・。
きっちり、大学も卒業してるわけだし。
まあ、、それほど目的意識がないんだよなあ。
今日を楽しく生きればいい派?
そういう感じ。
そういう感じ(笑)
もがみの死生観
アリー(有馬友恵)とか、あっきーってさ、死生観として、いつ死んでも悔いがないように、常に行動を重視しているじゃない。
(※もが注:「いつ死んでも後悔しないよう、物事を先送りしない」というポリシーのこと。どこかあっきーの文章で読んだ気がするが、出典を見つけられなかった)
俺の場合、ちょっと違ってて、いつ死んでもいいように生きるんだけど、そのために、覚悟して、あきらめる。だから、何か行動をする必要はないんだよね。
(※もが注:速攻野郎Aチームのポリシーが「いつ死んでも後悔しないよう、物事を先送りしない」であるとすれば、もがみのポリシーは「いつ死んでも後悔しないよう、物事に執着しない」である。「あらゆるものは失うことが可能であり、諦めることが可能だ」という考え方)
なるほど!悟ってるなあ。
死ぬまでにやらなきゃいけないこと、ってのがないわけだね。
ない。
ああ、その考え方はわかるなあ。
だから、短期的に落ち込むってことはあっても、あんまり深く落ち込んだりってことはないね。
流れに身をまかせるスタンスってことだね。
そうそうそう。
すごいな、、釈迦かも知れないな、この人。
いやいや、これから奥さんを持とうとする身だからね。
いや、釈迦も奥さんいたんだよ。
(※もが注:この下りについては、もがみ~あっきーで意思疎通の食い違いがある。あっきーは釈迦の禁欲性が話題になっていると思ったようだが、もがみはこの時、自分の欲のなさが甲斐性のなさにつながっていること、つまり「奥さんを持とうという人間が、流れに身を任せていてはいけないのだが」ということを示唆しようとしていた。が、会話の流れにまぎれて消えた)
もがみも、結婚した後に色々悟るのかもな。
ウチは、結婚をすることで、お互い向いてないことをやろうとしてるんだよね。
俺は普通に働こうとしているし、アリーは専業主婦になろうとしているし。
役割を交換すればちょうどいいのかも知れないんだけど。
今の世の中、それも有りだと思うけどね。
うん、俺もそう思うんだけど。アリーは専業主婦が希望だから。
お互い、得意分野のことを出来ればいいのに。
ん?別に、もがみは専業主夫やるのが得意ってわけじゃないでしょ?
もがみの得意分野って何なの?
うーん。何もしないこと。
(※もが注:これ怒られそうだな。もちろん、冗談ですよ(苦笑))
おいおい・・
よくそこまで自由気ままな生活が続けられたもんだよ。
自己批判の無さ
アリーといることで、価値観が変わったことって結構ある?とりあえず色々、変化はあるよね。
今まで俺に関わった人って、基本的に「もがみさんはそのままでしょうがないよね」って感じだったけど、彼女はそこを敢えて変えようとしてくるところが面白いというか。
変わることで、成長している感覚はある?
それほど、成長しているっていう感覚はないかな。
ただ、変わっているという感じで。
変わる前の自分でもいいわけだ?
そうだね、基本的にはね。
変わる前の問題点というのもわかってくるから、学びはあるけれどね。
でも基本路線は変わってないから、結果としてどっちでも同じということなのかも。
(※もが注:実際、変わる前には問題点がありすぎた(苦笑) そういう意味では学びは大きかったが、成長しているという感覚とは違う。人は何かを得れば、何かを失うものだ)
なるほどな。
もがみって、自己批判の精神と縁がない気がするな。
うん、ないね。
オレも、自己批判の精神てあまり持ってないと思うんだけど、
あれって、無いほうがいいんじゃないかって思うんだよな。
今、プライベートでは徹底的な自己批判にさらされてるわけですけど・・(笑)
(笑)変えなさい、変えなさい、ってね。
成長したい人には必要かも知れないけど、そうじゃなければ、まあ、別に必要ないものだね。
俺はさ、自己批判がないほうが、精神的には安定していて、受容性も高いんだよね。
自分に厳しいと、自然と周りにも厳しくなってしまうからね。
うん、俺はその状態で安定するし、周りとのコミュニケーションも上手くいく気がするんだな。
それは、もがみの大きな特徴だなあ。自己批判の無さ。
その代わり、他者批判もしないってことだしね。
(2008年2月 二子玉川「つばめグリル」にて)
【清水宣晶からの紹介】
もがには、おちぶれ貴族のような風雅な趣がある。
ダメダメなところもあるけれど、もがの場合には、「出来るけど、あえて頑張らない」という余裕が常にただよっているので、それで周りに気を遣わせたり、迷惑をかけるようなことがない。
「勝ち組」「負け組」というような下品な分類に惑わされることなく、世のしがらみから、自ら一歩身を引く客観性がそこにはある。もがは、自己を嫌悪することもなく、他人を悪く言うことも決してない男だ。
このインタビューには、やたらと、もが本人からの「※もが注」が挿入されているところが笑える。その細部へのこだわりは、もがの最も愛すべき個性だと、僕は思う。
もがには、おちぶれ貴族のような風雅な趣がある。
ダメダメなところもあるけれど、もがの場合には、「出来るけど、あえて頑張らない」という余裕が常にただよっているので、それで周りに気を遣わせたり、迷惑をかけるようなことがない。
「勝ち組」「負け組」というような下品な分類に惑わされることなく、世のしがらみから、自ら一歩身を引く客観性がそこにはある。もがは、自己を嫌悪することもなく、他人を悪く言うことも決してない男だ。
このインタビューには、やたらと、もが本人からの「※もが注」が挿入されているところが笑える。その細部へのこだわりは、もがの最も愛すべき個性だと、僕は思う。