石井貴士
1973年愛知県名古屋市生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。 長野県のテレビ局で、5年間アナウンサーとして勤務。 「無職から億万長者になったら、多くの人を勇気付けられるはず!」と思い立ち、本当に局アナ→無職に。その後、世界一周旅行に出発。 帰国後、(有)ココロ・シンデレラを起業。 現在、著作の累計が16冊、15万部を突破するベストセラー作家でもある。 2008年8月18日 『本当に頭がよくなる 1分間勉強法』(中経出版)を発売。 |
(2008年7月 新宿の居酒屋にて)
イカれてないことが一番イカれてる
(清水宣晶:) このインタビューは、ほんと楽しみにしてたよ。あなたは、オレが知る限り、もっとも風変わりな人だからね。
(石井貴士:) 俺、イカれてるもん。
イカれてるね。
それ、自分でわかってるんだ?
俺にとっては普通だけど。
逆に、他の人がどうかしてると思う。
イカれてないことが一番、イカれてると思うよ。
つまんないじゃん。
石井くん、見た目は普通で、まともなんだけどね。
それは、よく言われる。
一見普通の人だと思ったら、実はとんでもない思想を持っていた、っていう。
そうそう。
関わって、初めてわかるというかね。
オレも、一緒に仕事をしてみて初めてわかったからさ。
「こいつはおかしい」と。
そう、普通じゃない、と(笑)。
ヘンなところに、かなりこだわるからね。
石井くんは、ポジションでいえばやっぱり、フォロワーじゃなくて、常にパイオニアなんだよな。
誰も考えつかなかったことや、やろうとしなかったことを始める人だから。
1から10は苦手だけど、0から1は得意だってことは確実に言える。
だから、10個ビジネスを作ってくれといわれれば出来るけど、1億円のビジネスを10億円にしてくれって言われたら、出来ない。
それは貴重だと思うよ。
0から1を創れる人ってかなり少ないもん。
「無いもの」だったら、自分には作れる。
隙間ビジネスと、そうじゃない、もっとすごいビジネスってのがあって。
隙間ビジネスってのは、所詮ニッチ市場の成功者なんだよ。
一番すごいのは、考えついていないことを考えつく人。
市場を作るってこと?
市場を作るっていうよりも、市場がそこにあるってことを気づきもしなかったことを気づかせるっていう。
たとえば、「アナウンサーから無職になって、そこから成功しよう」って、俺が言うまで、誰も考えつきもしなかったじゃん。
誰も作っていなかった世界観を生み出すのが、自分の役目なんだって思ってる。
批判を恐れない強さ
普段、一人でいる時間って多いの?ほとんど一人だよ。
一人の時間が一番成長出来る。
それで考え事をしたりさ。
やっぱり、そうだよね。
一人じゃないと考え事は出来ないよな。
まずさ、俺にとって人生で一番要らないものって男友達なんだよ。
清水くんとはサシでも飲むけど、それ以外では2~3人いるかどうかぐらいだよ。
男としゃべってる時間なんてさ、人生で一番無駄じゃん。(笑)
また、それもスゴい意見だな・・
だって、普通、男から学ぶことなんてあるか?
悪いけど、限りなくゼロだよ。
男と話してても、俺、嫉妬されるだけなんだもん。
「やりたいことやっててズルい」って。
そういうのを聞いても思うけどさ、
石井くんを特徴づけるスゴさは、
やっぱりメンタルタフネスだと思うんだよ。
メンタルタフネスって、どういうの?
精神的に何かに依存していない、っていうこともあるし、
あと、その、批判を恐れない強さはなんなんだろうね?
それも、よく言われるよ。
「批判がコワくないんですか?」って。
2ちゃんに書き込みされるのとかさ、
普通、けっこうヘコむと思うんだよ。
批判をしてくるヤツはムカつくけど、
でもその前にまず、「お前、誰なんだ?」ってことなんだよ。
ぶははははははは!
それは思うよな。
俺よりも実績あるんですか?
ものすごくかっこいいんですか?
ってことで、
キムタクみたいにかっこいいやつに批判されたら「ごめんなさい」って言うけど。
そういうことネットで書き込みするやつって、たいてい実績ゼロの人ばっかりじゃん。
まあ、表舞台に出られないから
匿名で批判してるって人も多いだろうな。
文字だけの世界だったら、文章でしか見られないけど、
でも実際世の中は、まず見た目で大勢が判断されてしまう世界だから。
だから、東大を主席で卒業してたとしても、イケメンに比べたら
全然大したことない。
なんというか、、
「出る杭は打たれる」ということを恐れる気持ちってないの?
俺の悩みは、どっちかっていうと、出すぎてないことなんだよ。
どうしたら批判を受けませんかっていうよりも、
まだ全然、出すぎてないことのほうが悩みだね。
まったく、ビッグな自分にはなれていない。
出すぎた杭とは言えない ってことのほうが悩みなんだよ。
後世に残る生き方
オレは、石井くんの一番大きな特徴は、はずれることを怖がってないってことだと思うんだよ。
だって、10やったうち9はずれるのは当たり前だもんね。
それなら早く9はずそうって思うよ。
その考え方はわかるし、大事だと思うんだけどさ。
他の人は、同じはずれるにしても、
あまりみっともない失敗はしたくないって考えてると思うんだよ。
それは、ほとんどの人がね、
現世評価にこだわってるからだと思ってるんだよ。
生きてるうちに評価されたいとか、今、人に認められたいって。
まあ、普通はそう思うよな。
でも、俺は、100年後とか200年後の子供から絶対にヒーローって思われたい。
そんなに、後の時代の評価って、欲しい?
坂本龍馬とかさ、現世時代はバカだったと思うよ。
でも、死後、すごいじゃん。
織田信長と徳川家康を比べてみてもさ、信長は短命で、家康は寿命まで生きるだろうけど、家康って死後に人気出ないでしょ。
死んだ後には、石井貴士の魂、ってのは、他の魂と区別がつかなくなって、誰が誰だったとか、関係なくなってしまうかもしれないじゃない。
それでも、現世の評価って気にならないの?
所詮さ、現世で友達になれるのなんて100人が限度じゃん。
病気になって見舞いに来てくれるのなんて、多くても100人でしょ。
だから、自分はとにかくめちゃめちゃ頑張って、その結果として、何があってもついてきてくれるっていう100人が見つかれば、それで充分なんだよ。
うんうん。
それは、わかるな。
俺がいきなりAV男優になろうが、アフリカに行こうが、
突然政治活動を始めて右翼活動のリーダーになろうが、その一年後に左翼のリーダーになろうが、それでもついてきてくれるって人しか要らないんだよね。
ほんと、極端な人だよなあ・・
人間については、墓までつきあえるか、一生他人か、かなりはっきり分けるね。
墓までつきあう?
その人が葬式に来てくれるかどうか、ってことでさ。
逆に、お前は俺の葬式には来るなよ、って思うやつもいる。
「葬式に来るな」ってのがあるんだ!?
うん、葬式に来てほしくない人々。
一生味方か、末代まで祟るみたいな感じか、どっちかに
思われるんだよね。イメージ的に。
その、末代まで祟るっていう覚悟がほんとスゴいよな。
オレは極力、そういうのを避けるんだよ。
なんで?
何か物事を進めるには、評判っていうものもあるじゃない。
だから、悪い評判が立たないように、気を遣ってしまうんだろうな。
清水くんにどんな評判立てられても、
それで離れていく人ってのは、もともと友達じゃなかったってことなんだよ。
むしろ、フィルタリングされて良かったってことじゃん。
なるほど!
「僕は人を敵にまわしたくないんで、石井さんとは仲良くなれません」って人もいて。
お前ら小っちぇえな、その程度で沈むのか、って思ったけど。
そんなのさ、損得じゃないんだよ。
うん。
それ、よくわかるよ。
尾崎豊もさ、覚せい剤でつかまったとしても、それでも支えようする人達がたくさん残ってたわけじゃない。それはやっぱり、欠点が問題にならないぐらいの偉大な才能があったってことだよね。
交通事故だってさ、自分が何にも悪いことしてないのに向こうから飛び出してきてハネちゃったら、その瞬間に犯罪者になっちゃうじゃん。
人は常に犯罪者になる可能性があるってことだよね。
俺は、清水くんが犯罪者になったとしても、まったく気にしないよ。
きっと何か事情があったんだろうな、と思う。
ありがたいなあ。
そういう人がいてくれるってのは嬉しいね。
ノーベル賞を取ったらたくさんの人が寄ってくると思うし、
逆に、覚せい剤で捕まれば、たくさんの人が去っていく。
いい時だけ集まってくる人がいくら周りにいてもムダなんだよね。
結局、大切なのは、何があっても残る人じゃん。
人生ってのは結局、そういう人を探す旅なんだと思うよ。
(2008年7月 新宿の居酒屋にて)
【清水宣晶からの紹介】
石井くんとは、彼が2002年に起業をした時、その会社のホームページを作った時からのつきあいだ。
とても注文が細かくて、一日にメールのやりとりを100往復以上したこともあり、ものすごい人に出会ったという嬉しさがあった。
mixiが現れた当時、それを超えるSNSを自前で作ろうとして何千万円もの借金を抱えたと思えば、『一分間勉強法』が大ブレイクして、借金をチャラにした。
一般的な常識を飛び抜けた考えを持ち、しかもそれを臆せずに実行する。
天才肌とは、こういう人のことを言うんだろうと思う。
何かと言動が極端なところが目立つけれど、根の部分はものすごく真面目で、律儀で礼儀正しく、常識がある人だ。
待ち合わせをすると、約束の時間よりもかなり早くから到着して待っているし、行動もレスポンスも、ものすごく速い。
突飛な発想力があるだけではなく、そういう基本的な部分の能力がしっかりあるからこそ、ビジネスをやっても実績を出すことが出来ているのだろうと思う。
石井くんとは、彼が2002年に起業をした時、その会社のホームページを作った時からのつきあいだ。
とても注文が細かくて、一日にメールのやりとりを100往復以上したこともあり、ものすごい人に出会ったという嬉しさがあった。
mixiが現れた当時、それを超えるSNSを自前で作ろうとして何千万円もの借金を抱えたと思えば、『一分間勉強法』が大ブレイクして、借金をチャラにした。
一般的な常識を飛び抜けた考えを持ち、しかもそれを臆せずに実行する。
天才肌とは、こういう人のことを言うんだろうと思う。
何かと言動が極端なところが目立つけれど、根の部分はものすごく真面目で、律儀で礼儀正しく、常識がある人だ。
待ち合わせをすると、約束の時間よりもかなり早くから到着して待っているし、行動もレスポンスも、ものすごく速い。
突飛な発想力があるだけではなく、そういう基本的な部分の能力がしっかりあるからこそ、ビジネスをやっても実績を出すことが出来ているのだろうと思う。